受験に、就活に、仕事に効く!今さら聞けない文章術の基礎2

Skill up

受験や就活はもちろん、社会人になってからも、文章を書く技術は重要です。にもかかわらず、英語を学ぶ場合と比べると、基礎を学ぶことをスキップしてしまう人が多いのではないでしょうか。そんな人のために、今さら聞きにくい文章の書き方の基本を学びましょう。

修飾語と被修飾語編

文を飾る語に「修飾語」があります。修飾語とは、文の中で他の言葉を詳しく説明する役割を持つ言葉のことです。また、修飾語によって意味や内容が詳しく説明される語句のことを被修飾語と言います。

【例文】

大きい弁当です。

この文章の「大きい」が修飾語で、「弁当」が修飾される語で、「被修飾語」と言います。修飾語が単純で少ない場合は、意味が分かりにくくなるケースはめったにありません。しかし、修飾語の数が多くなると、途端にわかりにくくなります。

修飾語は、他の言葉を説明する役割なので、まったく書かないわけにはいきません。読み手が迷わなくなるように、使い方のルールを身につけることが大切です。

【チェック】

修飾する語と修飾される語は近くに置く

修飾する語と修飾される語が遠くに離れていると、修飾語がどの言葉にかかっているのかが分かりにくくなるケースがあります。

例えば、以下のような文章を考えます。

大きなから揚げが入った弁当がほしい。

この場合、「大きな」という修飾語が「から揚げ」にかかる場合と、「大きな」が弁当にかかる場合が考えられます。

修飾する語と修飾される語を近くに配置することが分かりやすい文章を書くコツです。このため、「大きなから揚げが入った弁当がほしい」と書いた場合、「大きな」は「から揚げ」にかかると考えることが妥当です。

もし、「大きな」という修飾語で、「弁当」を説明しようとするならば、以下のようにします。 から揚げの入った大きな弁当がほしい。

【トレーニング】

時間指定の荷物を宅配する時間が迫っていたので、大急ぎで私が仕分けした荷物をドライバーは荷台に積み込んだ。

この文章は、宅配便のアルバイトをしている「私」が、営業所に運び込まれた荷物をトラック毎に仕分ける作業に取り組んでいる様子を表現しています。指定された時間に間に合わせるために、ドライバーは、大急ぎで積み込み作業をしているという意味の文章にします。

【解答例】

この文章の場合、「大急ぎで」という修飾語が、「私が仕分けした」にかかるのか、「ドライバーは荷台に積み込んだ」にかかるのかがはっきりしません。

「修飾語と被修飾語を近くに置く」というルールに従い、次のように書き直します。

時間指定の荷物を宅配する時間が迫っていたので、私が仕分けした荷物をドライバーは大急ぎで荷台に積み込んだ。

【チェック】複数の修飾語が一つの言葉を修飾する場合

複数の修飾語が一つの言葉にかかる場合は、短い修飾語を近くに置き、長い修飾語を遠くに置くようにします。

昔のジーンズがよく似合う彼女に声をかけた。

この文章は、「ジーンズがよく似合う」と「昔の」の2つの修飾語が「彼女」にかかっているとします。「昔のジーンズが似合う彼女」という語順にしてしまうと、「昔の」という修飾語が近くの「ジーンズ」にかかり、彼女がビンテージもののジーンズを履いていると誤解される恐れがあります。

そこで、「短い修飾語を近くに置く」というルールに従うと、以下のようになります。

ジーンズがよく似合う昔の彼女に声をかけた。

これで、ジーンズを履いている昔の彼女に声をかけたということが伝わります。

【チェック】修飾語が多い時は文章を分ける方法もある

先日紹介した江戸スーパーは、大阪に住んでいたときに私がよく買い物をしていた浪花スーパーを傘下に持つ流通グループの子会社です。

修飾語が長く、途中で主語と述語が入り混じると、混乱して情報が頭に入ってきにくいものです。このようなケースでは、短い文に分けて整理すると分かりやすくなります。

私が大阪に住んでいたときに、浪花スーパーでよく買い物をしていました。先日紹介した江戸スーパーは、その浪花スーパーを傘下に持つ(同じ)流通グループの子会社です。

この流通グループが江戸スーパーと浪花スーパーを傘下に持っていることがわかります。

まとめ

文章が長く、わかりにくくなる原因のひとつに、どの言葉がどの言葉にかかっているのかが分からなくなることがあります。主語と述語編でお話ししたように、文章を書く時にはまず主語と述語を明確に示すことが大事です。そのうえで、主語と述語の内容を詳しく説明するための修飾語をルールに従って配置することによって、伝わりやすい文章を書くことができます。