受験に、就活に、仕事に効く!今さら聞けない文章術の基礎3

Skill up

受験や就活はもちろん、社会人になってからも、文章を書く技術は重要です。にもかかわらず、英語を学ぶ場合と比べると、基礎を学ぶことをスキップしてしまう人が多いのではないでしょうか。そんな人のために、今さら聞きにくい文章の書き方の基本を学びましょう。

句読点の打ち方編

句読点とは、文章の区切りを示すために使われる記号のことです。「、」(てん)の読点と「。」(まる)の句点があります。句読点は、文章を読みやすくするために使われ、文の切れ目や終わりを示す役割があります。

句点は、文の終わりを示す「。」のことです。読点は、文の途中の区切りを示す「、」のことです。句読点を適切に使うことで、文章の意味が明確になり、読者にとって理解しやすい文章になります。 句点の「。」は、文の終わりにつけるので、迷うことはないと思いますが、読点「、」は使う場所を間違えると、文章の意味が変わってしまうことがあるので注意が必要です。読点の適切な打ち方を紹介します。

【チェック】読点の打ち方の基本

  • 基本的には、読点は文の切れ目に打ちます。
    例)お腹が空いたので、弁当を食べた。
  • 修飾する文章が長い時に、読点を打つと分かりやすくなります。
    例)長い行列ができているラーメン屋の前が、私たちの学校です。
  • 並列する語句の切れ目に読点を打ちます。
    例)Uターンラッシュで、航空機も、新幹線も、高速道路も、大渋滞になっています。
  • 接続詞や逆接の助詞のあとに読点を打ちます。 例)今日は気温は高いが、湿度が低いので比較的過ごしやす

一般的には、読点(、)の打ち方には決まったルールはなく、これらの例も「、」を打たないと間違えになるわけではありません。

【トレーニング】

次の文章に読点「、」を打ってみましょう。

〇朝は晴れていたが午後から雨が降りそうだ。
→朝は晴れていたが、午後から雨が降りそうだ。

(接続詞や逆接の助詞のあとに読点を打つ)

〇昨日も今日も明後日もバイトだ。
→昨日も、今日も、明後日も、バイトだ。

(語句を並列させる時に読点を打つ)

〇私は彼女はジーンズが似合うと思う。
→私は、彼女はジーンズが似合うと思う。

(主語と述語の関係をはっきりさせるために読点を打つ)

〇弟ははっきりモノを言わない。
→弟は、はっきりモノを言わない。

(誤読を避けるために読点を打つ)

【チェック】読点の打ち方で意味が違ってしまうケース

修飾語・被修飾語編で紹介しましたが、複数の修飾語が一つの言葉にかかっている場合には、修飾語の並べ方を間違えると、違った意味の文になってしまう場合があります。

【トレーニング】

この文章は、修飾語・被修飾語編で練習した例文と同じものです。宅配便のアルバイトをしている「私」が、営業所に運び込まれた荷物をトラック毎に仕分ける作業に取り組んでいる様子を表現しています。指定された時間に間に合わせるために、ドライバーは、大急ぎで積み込み作業をしているという意味の文章にします。

修飾語・被修飾語のルールでは、「修飾語と被修飾語を近くに置く」というルールに従い、次のように書き直しました。

時間指定の荷物を宅配する時間が迫っていたので、私が仕分けした荷物をドライバーは大急ぎで荷台に積み込んだ。

「大急ぎで」と言う修飾語が、「荷台に積み込んだ」という語句にかかっていることを示すために、「大急ぎで」と「荷台に積み込んだ」を近くに置きました。

読点「、」を打つことによって、同様の効果を生み出すことも可能です。具体的には、「大急ぎで」と言う修飾語が「私が仕分けした」にかからないことを示すために、「大急ぎで」という言葉と「私が仕分けした」の間に区切りを示す読点「、」を打ちます。

時間指定の荷物を宅配する時間が迫っていたので、大急ぎで、私が仕分けした荷物をドライバーは荷台に積み込んだ。

これで、「大急ぎで」行った作業は、私による仕分けではなく、ドライバーによる「積み込み」作業であることがわかります。

しかし、この文章を音読した場合は、伝わりにくくなる恐れがありますので、「修飾語・被修飾語」のルールに従って、「大急ぎで」と「荷台に積み込んだ」を近くに置く方が、よりわかりやすい文章と言えそうです。

【まとめ】

分かりやすい文章を書くためには、文の構造をなるべくシンプルにすることが大切です。句点で区切られる文をなるべく短くして、テンポよく読める文を書くことを心がけます。一文が長いと、修飾語の語順やどこに読点を打つかを考えなければなりません。それよりも、短文を重ねて書くほうが、文章がうまくなる近道になるはずです。