ワタシの名前はナスナスミ。友人のタマガワタマコさんとまちを歩いていると、とんでもないことが起こったの。私たちが住むまちに、頭上から攻撃を食らわせるカラスが出現し、大騒ぎだったわ。
カラスは、繁殖期に攻撃的になり、人を襲うことがあるんだって。５月から７月ごろは、卵からかえったヒナを育てている時期と重なり、とくに攻撃的になるらしいわ。この時期のカラスは、ヒナや卵を守るために神経質になって、巣の近くを通る人に対して威嚇や攻撃行動を取ることがあるんだって。
まず、被害に遭ったのは、くりたさん。横断歩道を渡っているときに、空中からカラスが急降下してきて、くりたさんの頭を直撃したわ。不意打ちを食らったくりたさんに、「あほ―」と捨て台詞を吐いたカラスは再び空中へ。
「次は私たちが狙われるかも」
私とタマコさんは、必死に逃げたわ。
そこに現れたのが、銭湯に向かう途中のえんどうさん。「からん、ころん」と石鹸の音を立てながら、さっそうと歩いてきたけど。えんどうさん、空中からカラスに狙われていること知っているのかしら。
カラスの目がきらりと光った。やっぱり、カラスの次の標的はえんどうさんだわ。
Lock On! ついに、カラスがえんどうさんの頭をめがけて、急襲し始めた。
その時、何かが輝いた。あたまのヒカリだわ。
「まぶしい」
誰もが目を覆ったその瞬間、カラスがえんどうさんの頭にゆっくりと降り立ち、そして、ひとつになった。
えんどうさんは、お坊さんの装束に身を包み、カラスは金色に輝き、そして翼を広げた。 さすが、えんどうさんだわ。
今日の格言
「子育てで、いらつくカラスもおだやかに ナス」
