レイアウトをする前に、記事や見出し、写真などの編集素材に関する決まり事を確認しておきます。新聞をレイアウトする際は、紙面のバランスを意識します。題字や題字下、見出し、写真、罫線などのスペースもあるので、本文の記事の分量は紙面の5~6割程度にするとレイアウトしやすくなります。本文が長すぎると文字ばかりになり、また短すぎては、必要な情報が正しく伝わりません。
レイアウトのコツは紙面中央を目立つように
見出しは必ず記事に接するようにします。見出しから記事へと、読者を誘導する役割があるので、見出しが記事と離れてしまっていると、どこから読むかわからず、読者が戸惑ってしまうからです。写真を掲載する時の決まりは、その写真はどんな場面なのか、写っているのはどんな人か、撮影した場所はどこなのかなどを、簡単に説明するキャプション(絵解き・エトキ)を添えます。基本的なスタイルは、最初に説明文を書き、その後に撮影場所を入れます。置き場所は、写真の上下左右が基本です。
レイアウトのコツとしては、ページの中央を目立つように配慮します。新聞は、写真やイラストなどのスペースにより、文字エリアの方が広くなることが多いので、紙面を彩る数少ない素材の写真や絵を上手く使うには、配置場所が重要になります。紙面の中央、へそと呼ばれる部分に、写真やデザイン図、見出しなどを置くと、紙面のバランスが美しくなります。また、見出しや写真など、縦横があるものは、単調にならないようにバランスを考えて配置することが重要です。
ニュース面は「流し」中心でX型を意識する
新聞レイアウトには、いくつかの基本型がありますが、縦書きの新聞は右上から左下に流れるように見出しや写真や記事が配置されることが典型です。タタミやカコミを左上や右下に置き、セカンド記事の見出しを中央にレイアウトするとX型になり、読みやすく見やすい紙面になります。見出しの大きさは記事の重要度を表すので、題字脇のトップ記事見出しは、一番大きくレイアウトすることが必要です。
リード文は、記事全体の要約や概要、結論を示して興味をひいて、読者を本文へ先導していく役割があります。長文の記事やトップ記事にはリードを付けるケースが多いです。リードは、本文との違いをはっきりさせるため、字詰めを変えて天地左右に一定のアキをとります。このほか、リードを罫で囲む、天地罫で押さえる、行間に点線を入れて飾る、本文とは異なるフォントやゴシックにする、横書きにする(本文は縦書き)などの方法もあります。
最も重要と考えている記事をトップ記事と言いますが、これを置く位置は紙面の右上で、「アタマ」と呼ばれています。トップ記事はその新聞の印象を決める「顔」の役割ですので、レイアウトがマンネリにならないよう、いくつもの基本パターンを用意しておくことが重要です。右上が「アタマ」なら、左上は「カタ」と呼ばれ、2番目に知らせたい記事を配置します。Xの中央は「ヘソ」で、「カタ」に置くべき記事がない時には二番目に知らせたい記事を配置したり、インパクトのある写真を配置します。
X型レイアウトとブロック編集を使い分ける
X型のレイアウトは、ニュース報道に適したレイアウトです。トップ記事、2番手などの記事の価値を示しやすいほか、新しいニュースが飛び込んできた時に、柔軟に記事の価値変更やレイアウトの変更に対応しやすいからです。これに対して、当日編集・当日印刷ではなく、何日も前に編集を行える機関紙や学校新聞などの紙面に関しては、ブロック編集がおススメです。
ブロック編集とは、それぞれの記事を四角形のタタミやカコミにまとめ、1面すべての記事について、ブロックを組むように配置したレイアウトの技法です。1つの記事がケイで囲まれたり、ブロック組みされているので、読者は読みたい記事がすぐに見つけられ、迷わずに読み進めやすくなります。ブロック組みのレイアウトには決まった形はありません。読みやすさと紙面全体のバランスに注意していくことが大切で、写真やイラスト図などのグラフィックスを大胆につかい、視覚に訴える紙面にも活用できます。