見出しを付ける練習をしてみよう

Skill up

新聞記事をまとめるところから、見出しを付ける練習

それでは、学校新聞の編集部員になったつもりで、〇〇高校の学校新聞をつくる練習をしてみましょう。

〇〇高校の修学旅行に関し、校内新聞に記事を載せるという想定で、原稿を書く練習をしています。3年生、2年生、1年生のそれぞれの旅行の計画の要約を示していますので、これが、原稿の本文になるという設定です。そして、書きあがった原稿を基に、見出しを付けてみます。

旅行の計画

【3年生の旅行】

3年生の韓国旅行は、「日韓の文化交流」をテーマに行われます。韓国の伝統文化を楽しめるエリアである「仁寺洞(インサドン)」や、韓国サブカルチャーの発信地である「弘大(ホンデ)」などの街歩きを楽しむほか、地元の□□高校の3年生と文化交流に関するディスカッションも予定されています。

【2年生の旅行】

2年生の軽井沢旅行は、重要文化財にも指定されている西洋建築物「旧三笠ホテル」や、紅葉の名所で散策にも最適な「雲場池(くもばいけ)」などを訪れた後、軽井沢・プリンスショッピングプラザでショッピングやボーリングを楽しみます。

【1年生の旅行】

1年生の広島旅行は、鯉城(りじょう)の別名を持つ毛利・福島・浅野氏の居城「広島城」などを見学するほか、世界遺産の「原爆ドーム」や、広島記念公園・広島平和記念資料館を訪れ、被爆の惨状と、これからの世界平和について考えます。

リード文をつくる

この記事は、○○高校の修学旅行についての要点をまとめるものなので、記事の構成としては、リード文では、3年生、2年生、1年生の修学旅行をまとめた文章にしています。この後に続く、本文の1~3の段落で、各学年の旅先での予定について詳しく書いています。

【リード文の解答例】

新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化したため、〇〇高校は、3年ぶりに今秋の修学旅行を再開します。各学年の修学旅行は10月中旬から順次行われ、3年生は韓国・ソウル市に2泊3日、2年生は長野県軽井沢市に2泊3日、1年生は広島県広島市に3泊4日の日程です。

この記事の情報を分析する

新聞記事は5W1HとWorth(価値)をベースにつくります。

  • 「When(いつ)」=10月中旬から
  • 「Where(どこで)」=3年生は韓国、2年生は長野県、1年生は広島県
  • 「What(なにを)(なにが)」=修学旅行
  • 「Who(誰が)」=○○高校の生徒
  • 「How(どのように)」=記述なし
  • 「Why(なぜ)」=記述はありませんが、コロナの感染が沈静化したから
  • 「Worth(価値)」=○○高校の修学旅行が3年ぶりに再開する。

【解答例】

主見出し ○○高校が修学旅行再開

脇見出し コロナ鎮静化受け3年ぶり

【解説】

記事の中で、最も価値のあるものを主見出しに取ります。このため、「Worth(価値)=○○高校の修学旅行が3年ぶりに再開する」が主見出しの要素になります。

新聞の見出しの場合は、主見出しは10文字程度にします。また、主見出しには「主語」+「述語」の部分を取ると意味が通じやすいです。この場合、「主語=〇〇高校」で、「述語=修学旅行を再開する」です。

したがって、主見出しの要素は「○○高校が修学旅行を再開する」となりますが、見出しの文字数が14字になるので、基本ルールに従って、省略します。

脇見出しとしては、主見出しから漏れた重要な要素を補いました。どれくらいの期間修学旅行が行われなかったのかを示すために「3年ぶり」を脇見出しの要素に入れました。その理由として「コロナ鎮静化受け」としています。

「新型コロナウイルスの感染が沈静化した」というのが全ての要素ですが、短くするために、「新型コロナウイルス⇒コロナ」と省略し、助詞などを省き、述語を体言止めにしています。

また、主見出しに「3年ぶり」を取りたい場合、以下のような選択肢もあります。

「○○高、3年ぶり修学旅行」 「再開」と言わなくても、「3年ぶり」があれば、その間は修学旅行がなかったことが想像できます。しかし、「再開」と「3年ぶり」だと、文字数が「2」と「4」になるので、「3年ぶり」を主見出しに入れると、文字数が多くなります。

縦見出しだと「ツッパリ見出し」になりがちですが、横見出しであれば大丈夫でしょう。

ウェブサイトの記事で見出しを取るには

ここまでは、新聞の見出しについて解説してきました。最近はウェブサイトの記事も増えています。学校でも、学校新聞のほかにホームページの記事に見出しを付けることもあるでしょう。ここで、○○高校の修学旅行再開の記事を使って、ウェブ原稿の見出しの付け方を参考例として解説します。

新聞の見出しは主見出し、脇見出しなど短い文字で数本の見出しを取るようにしますが、ウェブサイトの場合は、多少長くなっても、1本の見出しで言い切ることができます。15文字程度でも1行で収まるでしょうし、2行の見出しにするケースもあります。

また、リードの前に見出し(タイトル)を置いて、それぞれの段落の前に「中見出し」を取ることもできます。ウェブサイトは、新聞と違って、スペースの制約がないからです。

【解答例】

(メーン見出し)

○○高校がコロナ鎮静化後3年ぶり修学旅行再開

(中見出し1)

3年生、ソウルで「日韓の文化交流」学ぶ

(中見出し2)

2年生、軽井沢で旧三笠ホテルなど訪問

(中見出し3)

1年生、広島「原爆ドーム」で平和考える