リード文制覇でスッと伝わる記事にする

Skill up

リード文の習得が筆力上達の近道

新聞記事は、短い時間で読んだだけで、何が書いてあるのかを理解できるような工夫が詰まっています。中でも、リード文は、それを読むと、記事のおおまかな内容が把握できるようになっています。つまり、リード文の書き方が分かれば、書く力は上達することが期待できます。また、学校での作文やビジネス文章を作成するときも、自分の伝えたいことが、読者に素早く伝わるように書く技術は重要です。新聞のリード文の書き方を学ぶことで、さまざまな文章の作成に応用できるはずです。

リード文の書き方を練習してみよう

〇〇高校の修学旅行に関し、校内新聞に記事を載せるという想定で、原稿を書く練習をしてみます。まず、3年生、2年生、1年生のそれぞれの旅行の計画の要約を示します。これが、原稿の本文の1段落、2段落、3段落となると想像してください。

【3年生の旅行】

3年生の韓国旅行は、「日韓の文化交流」をテーマに行われます。韓国の伝統文化を楽しめるエリアである「仁寺洞(インサドン)」や、韓国サブカルチャーの発信地である「弘大(ホンデ)」などの街歩きを楽しむほか、地元の□□高校の3年生と文化交流に関するディスカッションも予定されています。

【2年生の旅行】

 2年生の軽井沢旅行は、重要文化財にも指定されている西洋建築物「旧三笠ホテル」や、

紅葉の名所で散策にも最適な「雲場池」などを訪れた後、軽井沢・プリンスショッピングプラザでショッピングやボーリングを楽しみます。

【1年生の旅行】

1年生の広島旅行は、鯉城の別名を持つ毛利・福島・浅野氏の居城「広島城」などを見学するほか、世界遺産の「原爆ドーム」や、広島記念公園・広島平和記念資料館を訪れ、被爆の惨状と、これからの世界平和について考えます。

この記事は、○○高校の修学旅行についての要点をまとめるものです。記事の構成としては、リード文では、3年生、2年生、1年生の修学旅行をまとめた文章にし、本文1~3でそれぞれについて詳しく書いています。

リード文の解答例は以下の通りです。

新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化したため、〇〇高校は、今秋の修学旅行を再開します。各学年の修学旅行は、3年生は韓国・ソウル市に2泊3日、2年生は長野県軽井沢市に2泊3日、1年生は広島県広島市に3泊4日の日程で行われます。

経済記事で練習してみよう

取材メモを参考にして、リード文をつくってみます。

  • 食品スーパーAは、1月の月間売上高が前年同期比20%上昇した。
  • 食品スーパーBは1月の月間売上高が前年同期比15%上昇した。
  • 食品スーパーCは、1月の月間売上高が前年同期比10%上昇した。
  • A、B、Cは首都圏を中心にチェーン展開している。
  • 業績が伸びている背景には、新型コロナの感染拡大の影響で、感染が落ち着いてからも外食をする人が減り、家で調理したり、弁当や総菜などの中食が増えたことがあると指摘されている。また、インフレによって、食品の価格が上昇していることも、売上高の上昇の一因となっている。

リード文の解答例は以下の通りです。

首都圏を中心にチェーン展開する食品スーパーの1月の売上高が伸びている。新型コロナウイルスの感染拡大による食生活の変化により、外食から中食や内食へとシフトしていることと、インフレによる食料品の価格上昇が影響している。食品スーパーA、B、Cとも前年同期比で二桁の伸びを示している。