前回の授業では、英文を構成する品詞の一つである「前置詞」について勉強しました。前置詞はイメージをつかむことが大切でしたね。今回の授業は、動名詞とto不定詞の名詞的用法について勉強します。動名詞とto不定詞でもそのイメージが大切になります。
英語でも日本語でも、ひとつの主語に対して、述語となる動詞はひとつです。「私は好きです」という文に「勉強する」というフレーズを入れるとき、「私は勉強するが好きです」とすると、おかしな日本語になりますね。
同じように、英語でも、「I like study.」と二つの動詞を並べるとおかしな英語になってしまいます。
こんな時、日本語では「勉強する」という動詞を「勉強すること」という名詞に変えて、「私は勉強することが好きです」とします。
「~すること」を表す動名詞とto不定詞の名詞的用法
英語では、「study」と言う動詞を名詞のカタチにするとき、2通りの方法があるんだ。
そのひとつが、動名詞です。動名詞とは、動詞の語尾に「-ing」をつけて名詞の働きをさせ、「〜すること」という意味を表します。「study」は「studying」となり、「I like studying.」とします。
もうひとつはto 不定詞です。「to+動詞の原形」で、「~すること」という名詞の働きをさせることができます。「study」は「to study」となって、「I like to study.」とします。名詞の働きをするto不定詞のことをto不定詞の名詞的用法と言います。
to不定詞の名詞的用法は、「動詞を名詞の役割に変える」という意味で、今は文法用語にこだわらなくてもいいよ。
「名詞」の仲間だから、主語、目的語、補語になる
動名詞やto 不定詞の名詞的用法は、普通の名詞と同じように、英文のなかで、主語や目的語、補語として使うことができるんだ。
主語として扱われる場合は、こうなります。
Walking is fun.
To walk is fun.
(歩くことは楽しい)
動詞の目的語として使われる場合は、
I like walking.
I like to walk.
(私は歩くことが好きです)
と言う意味になります。
補語として使われる場合は、
My hobby is walking.
My hobby is to walk.
(私の趣味は歩くことです)
です。
補語は主語とイコールの関係になり、主語のことを説明する役割だったね。

動名詞とto不定詞の名詞的用法はどちらを使っても同じってこと?
動名詞とto不定詞の名詞的用法は同じような働きをします。だから、書き換えることができるケースもあるんだ。ただ、書き換えられないケースもあるので注意が必要です。
to不定詞と動名詞を目的語に取る場合の4パターン
動名詞とto不定詞の名詞的用法のどちらを使うかを考える必要があるのは、動詞の目的語として使われるときです。メーンの動詞によって、to不定詞と動名詞のどちらを使ってもいい場合や使い分ける必要がある場合があるんだ。

全部で4パターンあるので、ここではさらっと紹介します。覚え方や理由などについては、後で説明するね。
to不定詞と動名詞の両方が目的語になれる動詞とは
likeのように、to不定詞と動名詞の両方が目的語になれる動詞もあります。
I like eating.
I like to eat.
(私は食べることが好きです)

to不定詞だけが目的語になる動詞とは
want(~したい)という動詞は、目的語になれるのはto不定詞だけです。
I want to eat.
(私は食べたい)

動名詞だけが目的語になる動詞とは
一方で、finishという動詞の目的語になれるのは動名詞だけです。
I finished eating.
(私は食べることを終えました)

目的語がto不定詞と動名詞かによって、意味が変わる動詞とは
rememberは、動名詞が目的語のときと、to不定詞が目的語の時で文章の意味が変わります。
I remember locking the door.(私はドアに鍵を閉めたことを覚えている=もう鍵は閉めた)
Please remember to lock the door.(忘れずにドアの鍵を閉めてください =これからの行動)


うわー、4パターンも覚えるのは大変だ~
これから覚えるコツを勉強しよう。
一度に覚えられなくても大丈夫です。
前置詞のときもやったけど、大事なのはイメージです。
イメージをつかんだうえで、一つひとつ、理解すればいいんだ。
to不定詞と動名詞のイメージをつかもう
to不定詞には、「これから~することに向かっていく」というまだ起こっていない未来的なニュアンスを含んでいます。これは前置詞のtoが持つ「~の方へ」という方向を表す意味からきています。
これに対して、動名詞は動詞の原形にingを付けた形だね。(~している)(~していた)と言う意味を持つ現在進行形や過去進行形でもingを付けた形が使われているよ。
ingはよく見ると、前置詞の「in」が隠れているね。inは「囲いの中」と言うイメージだったね。
時間軸で現在を中心に囲われている状態をイメージすると、ingは「すでに~していること」という過去的・現在的な意味を含んでいます。


へぇ~、そうなんだ
未来的な意味を持つ動詞と相性が良い「to 不定詞」
to不定詞を目的語に取る動詞want「~を欲する」を見てみよう。
I want to eat.は、「私は食べることを欲する」「私は食べたい」という意味です。wantが持っている「~したい」という思いが、これから起こる「食べる」という未来的な行為に向かっていると考えるんだ。
I want eating.としてしまうと、「すでに食べていること」が「したい」というおかしな意味になってしまいます。だから、wantの目的語はto 不定詞だけなんだ。

wantのほかに、to 不定詞を目的語に取る動詞は次の通りです。
hope(〜を望む)decide(〜することに決める)promise(〜すると約束する)plan(〜しようと計画する)agree(〜することに同意する)expect(〜することを期待する)refuse(〜することを拒む)
これらの動詞の大まかな共通点として、これから先に起こることを表現しています。
例えば、
I hope to see you soon. で、(近いうちにお会いしたいです)という意味です。 I expect to pass the exam. (試験に合格することを期待しています)という意味です。
現在・過去的な意味の動詞と相性が良い「動名詞」
次に、動名詞だけを目的語に取る動詞をみてみよう。
例えば、
enjoy (楽しむ)、finish(終える)、stop (やめる)、quit(やめる)、mind (気にする、嫌がる) give up(諦める)、avoid(避ける)、deny(否定する)、escape(逃れる)、practice(練習する)
などがあります。
finish やquitなど、すでにやってきたことを(終える)、(やめる)というように過去的な要素を持つ動詞があるね。でも、これはすべてに当てはまるわけではありません。 「未来的」と「現在・過去的」だけでは見分けることが難しいケースもあります。

やっぱり覚えないとダメか?
-ingを目的語に取る代表的な動詞の頭文字をとってmegafeps(メガフェプス)と覚える方法もあります。メガフェプスは(mind, escape, give up, avoid, finish, enjoy, practice, stop)の頭文字だよ。また、反復・中断・逃避を表す動詞の後ろは動名詞という覚え方もあります。
でも、基本的には、言葉遣いの違いだからね。イメージを大事にして、それぞれの動詞を使った表現に慣れることが大事だよ。
例えば、
I enjoy cooking.(私は料理をすることを楽しんでいます)は、
料理という活動を実際にやって、その時間を楽しむというニュアンスがあります。実際に体験している活動を示す「ing」を含む動名詞がぴったりです。 このように、この表現をしたいときには、どの動詞を使って、そして、目的語にふさわしい言葉を選んで、ひとつずつ慣れていくことが大事だよ。
to 不定詞と動名詞のどちらも目的語に取る動詞とは
次に、ingの動名詞とto不定詞のどちらが目的語でも「意味がほとんど変わらない動詞」と「意味が大きく変わる動詞」の違いをみていこう。
「意味がほとんど変わらない動詞」は、主に「好き嫌い」とか、「開始する」とか「継続する」などを表す動詞が該当します。
例えば、
like(〜するのが好き)
love(〜することが大好き)
start / begin(〜し始める)
continue(〜し続ける)
ですね。
この場合は、目的語にto不定詞と動名詞のどちらを使っても同じ意味を表現できます。
一方、「意味が大きく変わる動詞」は、どちらを使うかで意味が異なってしまうために、しっかりとチェックしておくことが必要です。
例えば、rememberは(覚えている)と言う意味で、さっき例文で紹介したね。
remember to do:(これから)〜することを覚えている(未来的)で、
remember doing:(過去に)〜したことを覚えている(過去的)です。
このほかに、
forgetは(忘れる)という意味です。
forget to do:(これから)〜することを忘れる(未来的)で、
forget doing:(過去に)〜したことを忘れる(過去的)です。
tryは(試す。試みる)と言う意味です。
try to do:〜しようと試みる(未来的)で、
try doing:(試しに)実際に〜してみる(過去的)です。
例文で比較してみよう。
I tried to speak English.
は、英語を話そうと頑張ってみた。という意味です。やってはみたけど、言葉が出て来なくて話すことができなかったというニュアンスが出ます。
I tried speaking English.
試しに英語で話してみた。と言う意味です。
知っている単語を並べて、ボディランゲージも交えて実際に英語を話してはみたけど、伝わったかどうかはわからない。と言うニュアンスが出ます。
まとめ
動名詞とto 不定詞の名詞的用法の使い方の違いについて勉強しました。
特に動詞によって、目的語を動名詞にするか、to不定詞にするかを見分けるのは難しいと思います。
試験問題で問われることがあるので、4パターンを知っておく必要がある人もいると思いますが、これを数学の公式のように当てはめて覚えるたいへんです。4パターンを覚えられなくても、やっているうちにわかってくるので、英語を嫌いになる必要はないよ。
大切なのは、to 不定詞と、動名詞のそれぞれのイメージをつかむことです。
そして、私は食べたいと英語でいいたいときは、I want to eat. と話してみることです。want to は「ワナ」と発音し、ひとつの決まり文句になっているんだよ。そして、I want eating.と口に出すと、「おかしいな」と思えることが大事です。ひとつひとつ感覚的に身に付けていくといいよ。

